SaaSとは?導入メリットを解説!

クラウドサービスのひとつ「SaaS」とは

クラウドサービスの1種である「SaaS」は、既に多くの企業が導入したり導入を検討したりしているものです。昨今ではデジタルトランスフォーメーションの推進が重要視されていますが、これにも貢献してくれる存在だと言えます。新しいサービスを取り入れる前には、それについて詳しい知識を持っておくことが大切です。いくら優れたものであっても、使う人に正しい理解がなければ最適なサービスを選ぶことができなかったり、上手く使いこなすことができなかったりする問題が発生します。

これからSaaSを使ってみたいと考えているのであれば、これがどのようなサービスなのか理解しておく必要があるでしょう。

他のサービスと混同してしまう人も多いので、基本的な特徴と類似するサービスとの違いまで理解しておくと安心です。

そもそもSaaSとは?

SaaSはSoftware as a Serviceの略称です。直訳するとサービスとしてのソフトウェアとなり、読み方はサースが一般的だと言えます。簡単に言えば、クラウド上で利用することができるソフトウェアです。クラウドサービスはインターネットを経由してユーザーにサービスを提供するものですが、そのうちの1つにSaaSがあると考えることができます。企業が利用するソフトウェアやアプリケーション、プラットフォームなどもクラウドサービスに含まれますが、個人でも利用できる音楽やゲームのストリーミング配信サービス、バックアップサービスもクラウドサービスだと言えるでしょう。クラウド上でサービスが提供されているものは全てこれに該当し、SaaSはあくまでもその一部だと言えます。

SaaSが活躍する主な例

従来はソフトウェアやアプリケーションを使用するために、パソコンなどにプログラムをインストールする必要がありました。CD-ROMのような記録媒体を購入してインストールするケースが多く、こうしたパッケージ版を利用していた企業がほとんどだったと言えます。高度なプログラムを取り入れたい、パッケージ版にはないカスタマイズ性や専門性がほしい場合には、自社でハードウェアやソフトウェアを用意して開発や構築を行うケースもあるでしょう。現在もパッケージ版の使用や自社開発・構築の実施を行っている企業がありますが、気軽に利用しやすいSaaSを導入したり、こちらに切り替えたりしている企業も多くなっています。SaaSを利用する場合はインストールや開発が必要ありません。登録手続きさえ済ませてしまえば、受け取ったIDやパスワードなどを使ってサービスにアクセスし、契約したプラン内の機能を利用することができます。パッケージ版のようにインストールする手間がなくすぐに利用を開始することができますし、専用アプリケーションではなくブラウザから利用することができるので便利です。つまり、インターネットに接続できればどこからでもアクセス可能だと言えるでしょう。必要に応じてパソコン用のアプリケーションをゲットできるものもありますし、モバイル端末からアクセスできるようにスマートフォン用のアプリケーションが用意されているケースもあります。

現在では多種多様なソフトウェアを利用できるようになっていますが、文書作成ソフトや表計算ソフト、資料作成ソフトやプロジェクト管理ソフトのような多くの企業で必要不可欠なものが利用できるでしょう。オンライン会議システムや顧客情報管理システム、営業支援ツールなどもSaaSで利用できるようになっており、自社に合った便利なソフトウェアを利用することができます。

SaaSを導入するためのコスト

パッケージ版は最初に製品を購入する必要がありますが、SaaSの場合は月額料金を支払いながら利用するケースが多いです。利用内容に合ったプランを選択することができ、定額制であれば毎月決まった金額を支払うことになります。従量課金制も用意されているケースが多く、毎月の利用量が安定しない場合にはこちらのプランで使った分だけ支払うことも可能です。簡易版の利用や少人数での利用であれば、月額料金が不要となるケースもあります。別のソフトウェア導入方法と比べると、最初に高額な支払いをする必要がなく、初期費用の用意が難しい場合でも取り入れやすいです。資金確保が難しいスタートアップ企業や中小企業であったとしても、SaaSであれば他の方法よりも気軽に導入しやすいことを知っておきましょう。

SaaSの類似サービス

SaaSはソフトウェアを利用できるものですが、似たようなサービスにIaaSPaaSDaaSをあげることができます。それぞれサービスとしてのインフラ、プラットフォーム、デスクトップ環境と訳すことが可能です。頭文字が違うだけで字面が似ていますが、1つ1つ別のサービスを指していると理解しておきましょう。インターネット経由で提供されるクラウドサービスであるという点は同じですが、実際に利用することができるサービスや機能に違いがあると覚えておくと良いです。たとえば、表計算や文書作成のソフトを使いたいときにIaaSから探そうとしても、目当てのものを見つけることはできないでしょう。同じようなものだと認識する人が多いですが、厳密には取り扱っている内容が違うので注意が必要です。

クラウド上で利用することができるSaaSを選ぶのであれば、これまで主流だった手法とは違った体験ができます。導入までの手間が省かれていますし、多くの企業にとって利用しやすい形態や料金設定だと言えるでしょう。SaaSを活用することにはたくさんのメリットがあるため、その恩恵を受けるために導入している企業や導入を希望し始めている企業が多いです。基本的な情報からインストール不要の手軽さや高い初期費用が必要ない導入ハードルの低さなどがメリットであると分かるはずですが、SaaSの魅力はこれだけにとどまりません。もっと多くの魅力を持っているサービスなので、本格的に導入を検討するのであれば具体的な内容を知っておくと良いです。業務効率改善や労働力の確保、フレキシブルな働き方やアクセシビリティの向上などを叶えることができます。SaaSの基礎的な知識を身につけたのであれば、次は詳細なメリットを確認してみましょう。

 

ユーザー側での管理がいらない

SaaSを利用することの大きなメリットとして、ユーザー側での管理が不要であることがあげられます。ソフトウェアは日常的に業務で使用することを想定して導入されますが、ユーザーが管理することになると大変です。パッケージ版を購入する場合は、最初にそれぞれの端末にインストールを行う必要がありますし、使い始めてからも定期的にやらなければならないことがあります。ソフトは定期的にアップデートされるものが多いので、アップデート情報があればその都度バージョンアップ作業が必要です。業務が忙しいときには後回しになってしまい、気がついたら古いバージョンのまま使い続けていたという問題が発生していることもあります。特に問題なく使用することができていれば、他の業務を行っている手を止めてまでバージョンアップする必要がないと思うかもしれませんが、古いバージョンは十分なセキュリティ性がないケースも多いです。種々の問題を引き起こす原因になりかねないので、パッケージ版を購入した場合は忙しくても社員1人1人が管理を行うことになります。企業によってはIT担当者が配置されており、担当者がデスクを回ってインストールやバージョンアップを行うケースもあるでしょう。専任者がいればユーザー側での管理で大変な思いをすることがないと思うかもしれませんが、専任者がいてもそのパソコンを使っている人は作業の手を止めてインストールやバージョンアップを行ってもらう必要があります。いずれにしても本来であれば業務に割くことができる時間が奪われてしまったり、一時的にパソコンを利用した仕事ができなくなってしまったりするでしょう。もちろん、自社開発や構築を行う場合も徹底した管理が必要になり、定期的な動作チェックやバージョンアップなどが必要となります。

SaaS導入で「ユーザー管理」が不要に

従来の方法ではユーザーが管理することで煩わしい思いをする可能性が高いですが、SaaSを利用すればこの問題を解決することが可能です。SaaSはインストールする必要がないだけでなく、バージョンアップも行う必要がありません。バージョンアップの必要がないと聞くと、最新のソフトウェアを使うことができないのではないかと思うかもしれませんが、実際には自動的にバージョンアップが行われています。ベンダー側が管理を行っているため、利用する人が更新作業を行う必要がありません。バージョンアップが必要なときにはベンダーが実施し、利用者はいつも通りクラウドにアクセスするだけで最新版のソフトウェアを利用することができます。

バージョンアップ作業を、ソフトを利用する社員や担当者が行わずに済むことだけがメリットではありません。SaaS以外の方法でソフトウェアを利用する場合は、自社サーバーの用意も必要となるケースが多いと言えます。パソコン上にデータを保存していくこともできますが、別にサーバーを用意しておかなければトラブル時にソフトウェアを稼働することができなくなったり、重要なデータが失われてしまうリスクがあるでしょう。万が一の場合に備えた対策まで自社で行う必要がありますし、そのためには新たな機器を導入しなければならない可能性も高いです。パッケージ版の利用や自社開発の場合は、管理の手間もコストもかかってしまうことを理解しておく必要があります。

今までは、担当者や役員がアクセス権の管理や社員からの技術的な問題にも対応していました。SaaSを利用する場合は、これらに時間を割くこともなくなります。多くのSaaSではアクセス権が細かく管理できるようになっており、権限の付与なども容易に行うことが可能です。その上、自社で管理している場合と違って技術的な問題が起こるリスクは低いと言えます。トラブルが起こってメンテナンス業務に追われてしまうということもないので、担当者や役員などの負担を減らすことも可能です。

SaaS導入で「セキュリティ管理」も不要に

セキュリティに関する管理もベンダーに任せることができます。SaaS以外のやり方では、リスクが回避できるように自社でセキュリティ対策を講じておく必要がありましたが、これが不要になったと言えるでしょう。セキュリティの高さが魅力的なSaaSを選択しておけば、ユーザーがセキュリティの心配をすることなく安心して利用することができます。自社で高いセキュリティ性を確保したり維持したりするためには多額のコストが必要になることもありますが、これを得意としているベンダーが提供するサービスを利用すれば、余分なコストを投入することなく高いセキュリティを実現することができるでしょう。

端末を買い替えるときにも手間がかかりません。パソコンを買い替えるときなどには、社員が新たな端末にデータを移行したり、端末に残ったデータを削除したりする必要があります。ソフトウェアには顧客情報や取引先情報、企業の経営状況など機密性の高い情報が含まれていることが多いです。正しい手順で移行したつもりでもデータが失われてしまったり、削除したつもりでもデータが残っていたりすれば大変だと言えます。大切なデータを使えなくなってしまったり、パソコンを買い取ってもらう場合は情報が流出してしまうかもしれません。SaaSを利用していれば、データは全てベンダーが保有するサーバーに保存されています。煩わしい移行作業を行う必要もなければ、削除ミスによって情報が漏洩してしまうリスクもありません。

SaaS導入することによりコスト削減ができる

ユーザーによる管理がいらない点は、SaaSの大きな強みです。管理が不要になれば正しく運用しやすくなりますし、担当者の負担を減らすこともできます。ITに関する専門知識やスキルのない一般的な社員が様々な作業を行う必要もないので、ミスによるトラブルが引き起こされるリスクもないです。嬉しいことに、管理のためのコストも必要ありません。月額料金に管理費用まで含まれているため、管理のための機器を購入する費用や人件費を削減することができます。ソフトウェアの管理が大変だと感じている、これに投入している多額のコストを削減したいと考えている場合にも、SaaSの利用を検討することがおすすめだと言えるでしょう。

 

多様な働き方に対応できる

自社でSaaSを使用すれば、多様な働き方に対応できる体制をつくり上げることができます。従来のソフトウェア導入方法では、色々な働き方に柔軟に対応することが困難でした。パッケージ版を社内パソコンにインストールしておく場合も、自社のサーバー上に構築されたソフトウェアを使う場合も、利用環境に制限があります。会社でパソコンを立ち上げなければソフトウェアを利用できないケースが多かったので、外回り中や出張中の社員が利用できない、家から仕事を行うことができないという問題が起こっていました。せっかく機能的に便利なソフトウェアが導入されていたとしても、利用できる環境が限られていれば十分に使いこなすことができません。

「場所」を問わずにソフトウェアを利用することができる

SaaSを使う場合は、利用環境の制限が少なくなります。インターネットに接続できる環境と端末だけあれば良いので、時間や場所を問わずにソフトウェアを利用することが可能です。社内ではなくても自宅からアクセスすることができますし、出張中や外回り中でもフリーWi-FiやポケットWi-FiがあればSaaSを利用することができます。インターネットの接続環境だけあれば良いことで、働き方の多様化を実現することが可能です。

テレワークの導入

たとえば、積極的にテレワークを取り入れられるようになります。近年は多種多様な理由からテレワークの推進が求められていますが、テレワークでは最適な業務環境を手に入れることができないという理由で導入を諦めている企業も少なくないです。会社に設置されているパソコンを使わなければ業務ができないという状況では、テレワークを取り入れることが難しいと言えます。けれども、リモートワークには感染症対策となる、妊娠中の女性や子育て中の人々が自宅から仕事を行えるというメリットがあるので、導入を希望する人が非常に多いです。SaaSを採用すれば自宅からでも社内で仕事を行うときと同じように、文書作成や資料作成、表計算などのツールが使えますし、他の業務に必要なソフトウェアも利用できるようになります。更に、オンライン会議システムや進捗管理システムなどを利用することによって、会社と自宅で働く人がいても円滑にコミュニケーションを取ったり進捗状況を伝えられたりするようになるでしょう。リモートワークにはコミュニケーションの取りづらさや進捗状況の分かりづらさという課題もありましたが、SaaSを取り入れることで問題が解決できると言えます。勤怠管理のためのシステムもSaaSには存在しており、わざわざ上司が電話で確認しなくても、パソコンを立ち上げることで仕事の開始時間や終了時間が記録できるので便利です。SaaSには快適かつ適切なリモートワークを実現するためにピッタリなものなので、積極的に取り入れることをおすすめします。

遠隔地・海外の連携もスムーズ

遠隔地の営業所や店舗との連携を図れるようになるというメリットもあるでしょう。その場所に赴かなければ状況を把握したりコミュニケーションを取ったりすることが難しいという理由で、転勤や異動が行われることが多いです。ですが、転勤や異動によって単身赴任をすることになったり通勤時間が長くなったりしてワークライフバランスが不均衡化することもあります。SaaSを導入することによって、遠隔地の営業所や店舗とも柔軟な連携を実現することができるので、転勤や異動を行わなくても別の営業所などの支援ができるようになるでしょう。人材を募集するときに転勤がないことを掲げていても、事業拡大によって転勤や異動が必要となる可能性もあります。雇用時の条件と違ってしまえば社員から不満が出てもおかしくないですが、SaaSを取り入れることで転勤や異動以外のやり方で事業拡大を目指せるようになるでしょう。社員の負担にならない働き方を取り入れることができるため、不満を抱えづらい労働環境を整えることができます。

海外出張や海外拠点での勤務が多い社員がいる場合でも安心です。パッケージ版は海外でも利用できないわけではありませんが、利用するソフトウェアによっては内容を共有することが困難でした。SaaSであれば海外拠点からでもスムーズに共有が行えるサービスが多いため、海外で働く社員がいる場合でも円滑に業務を進めることができます。海外拠点にいる間は日本のオフィスと切り離された感覚になるケースも多いですが、SaaSを導入することで海外にいても日本にいるときのようなコミュニケーションや情報共有を実現することが可能です。

「時間」を問わずにソフトウェアを利用することができる

フレックスタイム制を導入することもできます。SaaSはいつでも利用することができるので、IT担当者がいない時間でも安心してソフトウェアを利用することが可能です。IT担当者が真っ先に出社してサーバーを立ち上げ、終業時間には担当者がサーバーをオフにするケースも多いと言えます。こうしたやり方を取り入れている場合は、担当者がいる間しかソフトウェアが使えない可能性が高いです。SaaSは担当者がいないタイミングでも自由に利用することができるので、自分が希望する時間に働きやすくなります。子育てや介護を理由に配偶者と就労時間をずらしたい、ワークライフバランスのために自分が好きな時間に働きたいと希望する人も多いですが、SaaSがあればフレックスタイム制が取り入れやすくなるでしょう。

「時間」と「場所」を問わない多様な働き方を実現できる

このように、SaaSを利用する企業では多様な働き方を実現できるようになります。社外にいるときの隙間時間に業務がこなせるようになるだけでなく、自宅や遠隔地、海外拠点でも問題なく仕事が行えるようになるでしょう。時間に関しても制限を受けにくくなるので、自由な働き方を実現できる可能性が高くなります。現代では多様な働き方から自分に合った働き方を選びたいと希望する人が増えており、IT活用が進んでいる企業ほどこれを実現することができていると知っておきましょう。古くからの方法だけでは柔軟な働き方を実現することが難しいです。SaaSを利用することで働き方に柔軟性を持たせることができるようになるので、業務効率アップや社員の仕事に対する満足度アップのためにもSaaSを利用しながら多様な働き方を実現すると良いでしょう。

 

さまざまな端末を利用できる

色々な端末からソフトウェアが利用できることも魅力的なポイントです。パッケージ版はパソコンのみの利用となることが多かったと言えます。社内であればどこでも利用できるわけではなく、インストールされている特定の端末でなければソフトウェアを使った作業を行うことができませんでした。常にパソコンを使わない仕事をしている人の場合は、ちょっとしたことを確認するためだけにパソコンを立ち上げることになって煩わしさを感じたり、必要な機能を使うためにソフトウェアがインストールされているパソコンがある場所まで足を運んだりすることになるケースも多いです。SaaSを利用するのであれば、パソコンだけではなくタブレットからもスマートフォンからもアクセスすることができます。多彩な端末からソフトウェアが利用できるようになったことで、働きやすい環境を形成することができますし、業務効率アップも期待することができるでしょう。

あらゆる環境でも利用することができるようになる

Wi-Fiがない場所でも利用できる

モバイル端末を利用することができれば、Wi-Fiがない場所でもソフトウェアが利用できます。外回り中や出張中でもインターネットに接続することができる状態であればSaaSを利用できますが、モバイル端末にも対応していることで利便性が向上するでしょう。ポケットWi-Fiなどを持たなくてもスマートフォンでSaaSが利用できるので、フリーWi-Fiがない場合や自分でインターネットへの接続環境を用意できない場合でも安心です。

複数の端末で利用できる

同時に複数の端末でソフトウェアを利用できるというメリットもあります。タブをいくつか開けばパソコンだけでも複数のSaaSが利用できますが、同じ端末で複数のソフトウェアを同時に利用することが難しいケースもあるでしょう。オンライン会議システムを使いながら顧客情報について話しているときに、他の社員のスケジュール状況まで確認することになったとします。顧客情報に登録されている最適な訪問時間を確認しながら予定が空いている社員を見つけたい場合、1つの端末からでは見比べることが難しいと感じるはずです。マルチデバイスに対応していれば、パソコンで開いているSaaSはそのままにしてスケジュール管理ツールのみスマートフォンからアクセスし、それらを見比べるという方法を選ぶこともできます。複数の端末を利用できれば、確認に時間を要したり間違ってタブを閉じてしまったりするミスも減らすことができるでしょう。

プログラムの有無に関係なく利用できる

プログラムインストール済みの特定のデバイスを使わなくて良いところも魅力的なポイントです。パッケージ版を購入して全社員のパソコンにインストールするためには、多くの費用と労力が必要となります。そうした理由から特定のパソコンだけにソフトウェアを導入している企業もありますが、利用できるデバイスが制限されていると業務効率が低下するはずです。他の人が利用しているときには確認したことがあっても確認できませんし、入力しなければならないことがあっても他の人の作業が終わるまで待つ必要があります。すぐに情報を確認できないことで作業の手が止まってしまうこともあれば、確認を忘れてミスが起こってしまう可能性もあるでしょう。多くの社員が期限までに入力しなければならないことがある場合、代わる代わる1台の端末を使うと入力に時間がかかり、終業時間までに自分の順番にならず残業することになったり、期日までに全員の登録が済まなかったりすることもあります。マルチデバイスに対応しているSaaSを選択しておけば、プログラムの有無に関係なくSaaSを利用することができるので、多くの社員が必要なタイミングでソフトウェアを利用できるようになるでしょう。1人に1台パソコンが支給されているような職場でも、コスト削減が目的で限られた端末にしかソフトウェアを導入していないケースが多いです。全社員の業務効率や快適性をアップさせるためには、全員がソフトウェアを利用できる環境を低コストで手に入れられるSaaSが便利だと言えます。

あらゆる端末で利用できることのメリット

あらゆる端末を利用できることには、チームでの連携を取りやすいというメリットもあるでしょう。スマートフォンと連携させておけば社外や自宅からでも仲間と連携を図ることができるので、離れていた場所にいても優れたチームワークでプロジェクトを進行していくことができます。特定の端末のみの利用になると、社内にいないことを理由にスムーズにコミュニケーションを取ることができなかったり、後から確認しようと思って確認を忘れたりする可能性が高いです。マルチデバイス対応のSaaSはリアルタイムでチャットを確認したり情報を共有したり、気になることをチェックしたりすることができるので、チームの結束力を高めつつ円滑にプロジェクトを進行させることができるでしょう。

対応端末の豊富さは、経営者や上司が不在時の問題も解決してくれます。取引先への挨拶、学会や展示会への参加などを理由に上層部が会社にいない日が多いという企業もあるはずです。規模が小さな企業ほど、経営者や部長が不在であれば承認をもらうことができない、チェックが必要で作業が進められないという問題が起こりやすいと言えます。スマートフォンやタブレットでもSaaSを利用することができれば、移動時間や空き時間にサクッと確認や承認を行ってもらうことが可能です。ホテルやフリーWi-Fiのある場所で作業を行う必要がなくなるので、従来よりも素早い対応を期待することができます。承認や確認のために重たいノートパソコンを持ち歩く必要もなくなるため、承認や確認の担当者の負担を減らすこともできるでしょう。自由に利用できるデバイスを選べることは、会社で働く人にとっても社外で働く人にとっても恩恵が得られることだと言えます。

SaaSは色々な端末から利用できるサービスなので、パッケージ版やオンプレミス型よりも利便性が高いと感じるはずです。円滑な作業やコミュニケーション、場所に関係ない利用などを実現することができるのでとても便利だと言えます。パソコン以外からもソフトウェアを利用できる環境がほしいと考えるのであれば、SaaSの導入を積極的に検討してみることがおすすめです。

 

まとめ

クラウドでソフトウェアを利用できるSaaSには、たくさんのメリットがあることを覚えておきましょう。

SaaS導入によるメリットまとめ

SaaS導入により「ユーザー側での管理が不要になる」

ユーザー側での管理がいらないこと、多様な働き方に柔軟に対応できること、色々なデバイスを利用できるといった魅力があります。機能性が優れているソフトウェアを使用できる環境があったとしても、ユーザーの負担が大きければ安定した運用や快適な使用を実現することが難しくなるはずです。パッケージ版やオンプレミスの場合はインストールしたり構築が済んだりすれば終わりではなく、定期的なメンテナンスやバージョンアップが必要となります。確実に作業を行うためには担当者や社員の負担が大きくなりますし、作業を怠った場合やミスがあった場合はセキュリティが低下したりデータが抹消されたりするリスクがあるでしょう。SaaSを選んでおくことで社員や専任者が管理を行う必要がなくなります。サービスを提供しているベンダーでセキュリティ対策やバージョンアップが行われるため、何か手を出さなくても最新の安全なソフトウェアを利用することができるでしょう。

 

SaaS導入により「多様な働き方に対応できる」

リモートワークやフレックスタイム制の導入、複数拠点での連携にもSaaSは役立ちます。いつでもどこでもソフトウェアにアクセスできる環境が手に入るので、多彩な働き方が実現できるはずです。ソフトウェアの活用は便利ですが、パッケージ版やオンプレミスの場合は社外から利用できないというデメリットがありました。社外パソコンでなければできない業務が多ければ、自由な働き方を実現することは難しいです。SaaSのおかげでリモートワーク中の人や別の拠点にいる人も便利なソフトウェアを使うことができますし、IT担当者がいない時間にサーバーを稼働させる必要がないので就業時間を変えられる可能性もあります。体調の問題で自宅から仕事を行いたい人、子供を預ける場所がなくて出社することが難しい人、介護を理由に日中は在宅したい人、子供の転校も自身の単身赴任も嫌な人など、様々な社員のニーズに応えられる働き方を用意することができるでしょう。

SaaS導入により「端末による制限を受けなくなる」

マルチデバイス対応のSaaSも多いので、端末による制限を受けなくなるという恩恵も得られます。パソコンのみの使用になると、状況によっては情報の確認や業務遂行が難しくなるはずです。複数のデバイスを自由に利用できれば、状況に応じて利用するデバイスを変えることができ、柔軟かつスムーズに業務を遂行することができます。プログラムインストール済みのパソコンを利用する必要がなくなるので、社員みんながソフトウェアを利用しやすくなるというメリットも感じられるはずです。

SaaS導入することでビジネスを強力にしよう

SaaSを導入することにはこうした魅力がありますが、利点を最大限に活かした使い方を実現するためにも、理解しておかなければならないことがあります。

まずはSaaS特有のメリットを十分に知ることであり、便利さを知らなければ有効に活用できない部分もあるので気をつけておきましょう。より充実した導入にするためには、サービスの選定をしっかりと行うことが大切です。

近頃はSaaS業界に進出する企業が増えており、実際にサービスを提供しているSaaS数も多くなっています。豊富なベンダーやサービスのラインナップから選択できることはメリットでもありますが、本当に自社に合っているのかどうか見極めることができなければ導入に失敗してもおかしくないです。ユーザー側での管理が不要な点が魅力の1つですが、ベンダーに管理を任せるのであればセキュリティ性の高いSaaSを利用するべきだと言えます。サービスごとに取り入れられているセキュリティ対策は違っているため、具体的な内容を確認したり、自社のセキュリティポリシーに合う内容か確認しておいたりすることが重要です。バージョンアップ情報も確認しておく必要があり、定期的に新機能の追加などを行っているサービスであれば、満足度の高い導入を実現しやすくなります。

プランに関しても確認が必要です。いつでもどこでも利用できることがSaaSの魅力ですが、プランによっては想定した使い方ができない可能性があるでしょう。複数拠点に対応しているかどうか、人数制限や通信量はどうなっているかなどを確認しておかなければ、リモートワークや複数拠点での連携のために用いることが難しくなるかもしれません。対応OSやデバイスの確認も必要不可欠であり、優れた機能を持つSaaSでもこれが合わなければ利用することができないです。WindowsやmacOS、AndroidやiOSのようなOSが主流ですが、自社のパソコンや社員が利用している端末に合わなければ問題だと言えます。デバイスに関してもパソコンのブラウザからの利用が想定されているものもあれば、スマートフォンのブラウザからも利用できるものもありますし、パソコンやスマートフォンで専用アプリが利用できることもあるでしょう。SaaSであれば全てのOSやデバイスに対応しているわけではないので、導入後の利用シーンを想定しながら最適なものを選んでおく必要があります。最適なものを選ぶことができれば、いつでもどこでも便利なSaaSを使いこなすことができるでしょう。

SaaSはとても魅力的なクラウドサービスなので、基本的な情報から具体的な魅力まで知っておくことをおすすめします。魅力を知っておくことによって、自社にピッタリな取り入れ方が実現できるはずです。魅力を更に引き出すための選び方まで知っておけば、SaaSの導入での失敗をなくしたり、満足度を高めたりすることができます。SaaSは業種や職種に関係なく導入することがおすすめなものです。既に導入や運用を開始している企業も多いと言えます。活用することによって業務効率をアップしたり働きやすい環境をつくったりすることで、成長している企業も増えていることを理解しておくべきです。紹介したようにたくさんのメリットがある便利なサービスなので、IT活用が推進されている現代でビジネスを成功させるためにも、積極的にSaaSの導入を検討してみることがおすすめだと言えるでしょう。

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