就職を考えている方に、電子部品の製造について業界分析しながら仕事内容を解説します。

DX実現のための主なデジタル技術

IoT(モノのインターネット)

IoTとは

デジタルトランスフォーメーションのDXを実現には、いわゆるデジタル技術が欠かせませんが、その代表的ともいえるのがモノのインターネットをいわれるIoTです。

IoTは、これまでインターネットとの関わりがなかったモノ、例えば家電をインターネットに接続することで様々な活用に繋げる技術です。

今でこそインターネット対応でストリーミング動画が見られるテレビ、音声認識で買い物もできるスマートスピーカーは珍しくないです。

しかし、どちらも元々はインターネットに対応しておらず、前者のテレビは電波の受信によるテレビ番組の視聴、後者のスピーカーはコンポなどから再生される音楽を聴く程度でした。

それがIoT、モノのインターネットが叫ばれるようになってから現在のようにインターネットに繋がり始め、いつからか当たり前のようになっています。

スマートテレビ・スマートスピーカー

ネットに繋がってサービスが利用できるテレビをスマートテレビといい、従来のテレビ放送の視聴に加えてオンライン配信のストリーミング動画、ビデオ通話にも対応するようになりました。

このスマートテレビはスマホと連携する製品が多く、機能的にはアプリの追加ができることからほぼスマホと変わらないです。

テレビがスマートと呼ばれるようになりましたが、想像通りIoTのスピーカーもスマートスピーカーと呼ばれるようになりました。

スマートスピーカーは音声認識に対応している製品が殆どで、スピーカーに近づいてボタンに触れたり、リモコンを使わなくても操作できるのが特徴です。

 

インターネットに接続するIoTの性質を活かし、常時接続することによってマイクで集音した音声をサーバーに送り、サーバー上で音声解析して結果に応じた操作を実行する仕組みです。

マイクの性能や音声認識の精度が高いことから、常時集音したり音声解析をしてしまうと、不必要に操作が実行される恐れがあります。

そのため、スマートスピーカーにはウェイクワードと呼ばれる音声認識を起動する語句が用意されています。

このウェイクワードに続けて操作したい命令を発音することで、音楽の再生と停止や音量の操作、天気予報やニュースの確認などが行えるわけです。

AIアシスタント

スマートスピーカーは音声で受け答えをすることから、ユーザーに応対する機能はAIアシスタントと呼ばれます。
他のスマート家電と連携する製品もありますが、どのような機能が提供されるかは製品によります。

ただ、音声で照明器具が操作できたり、テレビのチャンネル変更や音量操作が行える製品は少なくないです。

外出先からネット経由でスマホからエアコンが操作できたり、スマホがモニター代わりになる家庭用の見守りカメラもあります。
操作といえば今では遠隔で電源のON・OFFができるコンセントタップや、物理的にスイッチが操作できる製品も存在します。

鍵の施錠や解錠もスマホからできる時代ですし、カーテンの開け閉めに対応する製品も登場しています。

このように、今や家電はインターネットに対応しているのが当たり前で、既にモノのインターネットのIoTは浸透している状況です。

インターネットに繋がること、スマホで操作できる点を除けばそれほど大きな違いはないものの、利便性が大幅にアップしているのは確かです。

IoTとスマート家電の違い

扉の開閉に反応する防犯対策製品もIoTですし、遠隔でペットに餌を与える給餌マシンもデジタル技術の恩恵を受けています。

IoT製品に共通しているのは、光や音声などに反応するセンサーを備えていたり、無線対応でスマホと繋がることです。

壁掛けの時計すらIoTの時代ですから、このモノのインターネットの普及は留まることを知らず、IoTは人々の快適な生活を支えるデジタル技術のもはや定番でしょう。

IoTとスマート家電は、一見すると同じもののように思われますが、実は違いがあります。

IoTがあくまでもインターネットに繋がるモノを意味するのに対し、スマート家電はインターネットに繋がり、更にスマホやタブレットなどと連携して操作するモノを指します。

つまり、定義の上ではスマート家電はIoTの分類の1つで、広義のIoTということができるでしょう。
狭義のIoTは、インターネットに繋がればスマホと連携する機能が備わるかどうかは問われないです。

シンプルなIoTはセンサーを内蔵していて、パソコンなどのブラウザから室内の温度や湿度が確認できる製品もあります。

スマート家電はスマホというよりも、スマホアプリに対応していてアプリから操作できる家電というのがより正確です。

ただ注意が必要なのは、インターネット経由ではなくBluetoothなどの無線で直接スマホと通信する家電も存在することです。

インターネット経由で接続したり操作するには、Wi-Fi対応の製品を選ぶことと、Wi-Fi接続に対応するネットワーク環境が必要です。

外から操作できるようにするには、アクセス許可の設定やセキュリティ対策が不可欠ですから、その点を理解して導入を検討したり使う必要があるでしょう。

白物家電にも浸透

IoTは白物家電にも浸透しており冷蔵状態の確認や中身が管理できる冷蔵庫、お米の種類や好みに合わせて設定できる炊飯器まであるほどです。

掃除機はロボット化してスマホ操作に対応していますし、洗濯機もリビングや外出先から操作できます。

IoTというと、家電をインターネットに対応させただけのイメージですが、概念的にはモノをインターネットの一部として扱う点に特徴があります。

そして機器同士が通信してデータを交換したり、相乗的に機能して人々の生活を豊かにしています。

スマート家電などのデバイスそのものは、約40年前には議論の対象になっていたので、アイデア自体は古くからあったことが分かります。

それがようやく形になったのは、インターネットが普及してスマホが生まれ、あらゆる機器の小型化が進んだことが大きいと思われます。

かつて、誰もがどこでもコンピューターネットワークが使える考え方のユビキタスという言葉がありましたが、IoTはその後継の位置づけです。

IoTデバイスはパソコンやスマホ同様にネットワークに接続する端末なので、端末ごとにIPアドレスが割り当てられていたりします。

このことからも、モノのインターネットでは本当にモノがネットワークの一部として扱われているわけです。

AI(人工知能)

AIとは

AIはアーティフィシャル・インテリジェンスのことで、日本語には人工知能と訳されます。

人工知能というと、人の言葉を理解して人間のように振る舞うロボットをイメージしますが、それはあくまでもフィクションで現実はまだまだほど遠いです。

しかし入力した命令に対し計算結果を算出する単純なものが、AIの研究と発展により、より柔軟で高度なことができるようになったのは確かです。

AIといっても様々な種類があって、中には単機能ながら非常に人間に近い高度なことができるものもあります。

コンピューターの動作はプログラムの処理に基づきますが、その仕組みは数字が0かそれ以外かといった単純なものです。

実際には様々な条件を複数組み合わせて、分岐した結果に合わせて動作するようになっています。

ただ予め設定した条件以外の動作はしないので、そこは命令通りにしか動かない、ある意味で融通の利かない機械そのものだといえます。

AIはこの条件を更に細かく設定して、複雑なことをできるようにしたものと捉えれば間違いないです。

学習を繰り返すAI

現在は、学習を繰り返すことによって自動的に画像や音声の判定精度が上がるような、正確な結果が導き出せるAIが主流となっています。

機械学習はデータを分析するための技術で、問題とその答えになるデータを覚えさせる教師あり学習と、答えを与えずに一連のデータからパターンを見つけ出させる教師なし学習に分けられます。

試行錯誤を繰り返しながら精度を高める強化学習も、この機械学習の1つに数えられます。

機械学習は高度なAIを実現する手段で、写真から人物の顔や動物を特定する画像認識、音声データから文字を起こす音声認識などが有名です。

画像認識は更に掘り下げることで、自動運転車のような先端技術に活用されています。

カメラで捉えた映像から周囲の状況を把握して、突然の飛び出しがあれば急ブレーキを掛けるといった動作をするものです。

ハンドルが不要になる完全な自動運転車の登場はまだですが、道路や信号、標識や車両を認識して安定的に走行できる技術はすでに確立済みです。

音声認識・ディープラーニング

音声認識はAIアシスタントとして、スマホやスマートスピーカーなどに搭載されています。

音声に反応することから擬似的に会話が楽しめるので、その点に限れば最もフィクションのロボットに近いといえるでしょう。

AIと名づけられていますが、機能的には音声を解析、結果に合わせて反応するシンプルなものです。

つまり入力された音声の結果にどう反応するかという設定が必要で、これも予めパターンを用意するか、機械学習によって反応を進化させる形が取られます。

機械学習にはもう1つ、深層学習のディープラーニングがあります。

ディープラーニングは機械学習を押し進めて最適化する仕組みで、人間の脳神経ネットワークをモデルに開発された手法です。

パターンを認識するニューラルネットワークを多層化したものがディープラーニングで、自動運転車などに代表される高度な画像認識は、このディープラーニングによって実現しています。

ディープラーニングは複数の層で構成されており、角層で段階的にデータを学習していくのが特徴です。

膨大なデータを読み込ませる必要がありますし、データを複層で学習することから時間が掛かります。

とはいえ、高度で精度の高い画像認識には必要不可欠ですし、ディープラーニングが開発されたからこそ、自動運転技術が発展したり実用化にこぎつけたわけです。

標識を間違えて解釈したり識別が上手くいかないなどのケースはまだあるので、完全自動運転技術はまだ先ですが、これらの問題を克服すればいずれは車が運転して熟睡できるでしょう。

自然言語処理

AIの得意分野には、言葉や文章を理解させて処理を行う自然言語処理もあります。

自然言語処理は言葉の意味や文脈を解析させる技術で、結果に基づいて様々な処理をさせることができます。

AIアシスタントには音声認識技術が用いられていますが、高度なAIアシスタントは自然言語処理もセットになっています。
音声認識で起こされた文字を自然言語処理に掛けて解釈する、これがAIアシスタントの仕組みです。

自然言語処理の応用には、文章の誤りを指摘して訂正を行ったり、他の言語にリアルタイムに翻訳するなどがあります。

面白い活用事例としては、途中までしかない文章の続きを自動で執筆するものや、文章から感情を予測するものも存在します。

文字起こしも今やAIが活躍する時代ですし、問い合わせに自動で応答するチャットボットも現在はAIが主役です。

自然言語処理は、文章を意味の最小単位に分割する形態素解析、文章構造を調べる構文解析、意味を調べる意味解析と文脈解析に分けられます。

形態素解析から意味解析までは実用化されていますが、文脈解析はまだ実用化には至っておらず、自然言語処理の最後の壁として立ちはだかっています。

それだけ文脈を正しく解析するのは難しく、改めて人間は無意識のうちに高度なことをやっているのだと分かります。

医療分野においての研究

ディープラーニングは自動運転車を始めとした画像認識で活用されていますが、医療分野においても研究が進んでいます。

AIで画像からがんの診断を行う技術は今では有名ですし、人間の医師よりも高精度に診断できるという研究結果まであります。

将来的にはAIが手術を行うようになるのが目標の1つですが、完全に人間を必要としない技術の開発には時間が掛かるでしょう。

それでも、遠隔で手術できる仕組みは存在しますから、今以上に高度なAIが誕生して手術可能となれば、どこにいても優れた手術が受けられるようになるはずです。

AIは大きく特化型人工知能と汎用人工知能に分けられ前者の特化型人工知能には自動運転も含まれますが、将棋や囲碁のようなゲームに特化したものもあります。

高度な将棋AIや囲碁AIはプロ顔負けですし、人間が思いつかないような手を見せることもあるので侮れないです。

後者の汎用人工知能は、文字通り特定の用途ではなく状況の分析や自己理解、自己判断などの機能を有するAIです。

会話ができて人間のように振る舞えるロボットのAIは、定義でいえばこの汎用人工知能に分類されるでしょう。

クラウド

クラウドとは

クラウドは雲を意味する英語のCloudからきていますが、デジタル技術におけるクラウドはインターネット経由で利用するサーバーなどのサービスのことです。

クラウドの由来は諸説ありますが、サーバーの設置場所や規模、大きさなどを意識することなく利用できるという説が有力と思われます。

日本で知られる似たような言葉の1つにクラウドファンディングがありますが、こちらは雲ではなく群衆を意味するCrowdなので全く異なります。

クラウドの対義語にオンプレミスが存在しますが、オンプレミスは自社でサーバーを所有したり、敷地内に置いて管理するタイプを指します。

クラウドはハードウェアのサーバーを運用することが不要で、ユーザーはサービスの利用だけを考えることができるのがメリットです。

サーバーの管理者とユーザー

サーバーの管理者はハードウェアの運用から解放され、導入時のコストや保守に掛かるコストも抑えられることになります。

注文に応じてどこかにハードウェアのサーバーが設置されるわけではなく、予め用意されているクラウドサーバーを、ユーザーのニーズに合わせて分け与えられるのが基本的な仕組みです。

ユーザーからは自分用の単一のサーバーに見えますが、実際のところは並列で構成されている巨大なサーバーのリソースがユーザーごとに与えられます。

クラウドサーバーはレンタルサーバーに似ていますが、カスタマイズ性の高さや使い方に合わせてサーバーの構成を変えられる点は、前者に軍配が上がります。

ただし、自由度の高いクラウドサービスは自分でサーバーを構築したり運用が必要です。

ハードウェアの運用や故障などの面倒は見てもらえますが、サーバーの設定ミスや操作ミスによるデータの誤削除などは自己責任となります。

クラウドサービスの分類

クラウドサービスにはSaaSとPaaS、HaaSやIaaSといった分類があります。

SaaSはオンラインでアプリケーションなどのソフトを提供するクラウドサービスで、ブラウザで使えるメールサービスや地図サービスなどがあてはまります。

ソフトウェアのパッケージ購入が不要で、インストールせずにすぐ使えることから、手軽で便利なサービスとなっています。

ソフトウェア単位での提供なのでサーバーの存在を意識しなくて良いですし、何より常に最新のバージョンが提供されますから、アップデートの手間から解放されます。

PaaSはプラットフォームを提供するクラウドサービスで、ユーザーが自分でアプリケーションを構築して使えるのがSaaSとの大きな違いです。

自分で開発して運用を行うことができますから、SaaSが一般ユーザー向けなのに対しPaaSは開発者向けです。

SaaSは、ソフトウェアを特定の範囲内でのみ使うことができますが、PaaSは自由度が高く設定もいじることが可能なので、誤って暴走させないように要注意です。

プログラムのミスなどで意図しない動作をすると、動作が止まらなくなってサーバーのリソースを食い尽くしたり、サービスを再起動せざるを得なくなります。

従量課金制だと、思い掛けない使い過ぎで高額な費用が発生することがありますから、その点に注意して利用することが大切です。

HaaSとIaaS

HaaSのHはハードウェア、IaaSのIはインフラストラクチャーの頭文字ですが、どちらも意味するところは同じです。

HaaSやIaaSは、サーバーとストレージ、ネットワークインフラなどを提供するクラウドサービスで、OSを選択して環境を構築できるのが特徴です。

当初はHaaSとIaaSの表記が用いられていましたが、現在はIaaSで実質的に一本化されています。

理由はIaaSの方が実態に近く、HaaSだとハードウェアを提供するサービスと誤解される可能性があるからです。

PaaSの発展形がこのIaaSですが、仮想マシンなどの形で提供が行われることから、クラウドサービスの中で最もユーザーの自由度が高いです。

自由に使える分だけ運用に責任を伴いますが、ハードウェアを購入したり設置する手間が省けるので、あれこれ実験的に使ってみたい人にも適しています。

企業が本格的に自社サイトやECサイトなどを構築するのにも、処理能力のスケールの変更が行える、IaaSなどの自由度が高いクラウドサービスが狙い目です。

必要なのはインターネット環境だけ

クラウドはいずれのタイプのサービスもハードウェア、ソフトウェアの購入が一切不要です。

必要なのはインターネット環境で、プランの選択や運用の開始は全て画面上で完結します。

構成を決めればすぐにシステムの構築が行われるので、スピーディーに立ち上げて使い始めることができます。

ハードウェアのサーバー運用はおまかせ、データは分散して強固に保存されることから、ハードウェアの故障やデータの破損、消失などを気にせずに済みます。

といっても、ユーザーのミスによるデータの削除はどうにもならないので、定期的にデータをバックアップするなどの対策が必要です。

クラウドならバックアップサーバーの用意も簡単ですから、本当に何もかもがオンラインでできます。

ただ、クラウドの自由度が高いとはいえオンプレミスほどではないですし、サービスによっては制限が設けられていることもあるので注意です。

パブリッククラウドのサーバーは、常時インターネットに接続される状態で存在することになるので、セキュリティ対策が必要になります。

脆弱性を突かれると情報漏えいの恐れがある、これはクラウドも例外ではなく対策が甘いと不正アクセスの発生に繋がります。

自分の求めるサービスか確かめる

クラウドはハードウェア的な実態が見えない分、サービスのイメージによって信頼性が印象づけられるところがあります。

クラウドの安定性はサービスの完成度、運用状況などに左右されるので、いくら知名度の高い大手でも過信は禁物です。

それよりも実際に使ってみて判断した方が、自分の求めるサービスかどうか分かりますし、納得した上で正式に利用を決めることができます。

提供される機能も料金体系もサービスによって異なるので、比較検討して目的のサービスを絞り込んだり、用途に合わせて選ぶことが必要でしょう。

どのサービスも無料お試しを提供していますから、料金を負担せずに機能や性能などを確かめられます。

5G(第5世代移動通信システム)

5Gとは

5G(第5世代移動通信システム)は、国際的な高速通信規格のことで、スマホの通信規格に採用されています。

第1世代の1Gは1980年代に開発、導入が行われた規格ですから、現行の第5世代までの間に約40年の歴史がある計算です。

ちなみに第1世代はアナログ通信でしたが、第2世代以降はデジタル通信に移行しています。

移動通信システムという名前のように、移動しながら場所を変えて通信できる仕組みを指します。

5Gは高速大容量と低遅延、多数同時接続の3つを柱に開発されているのが特徴です。

高速大容量の部分では、急増する通信トラフィックの対応と通信速度の確保のために、高い周波数の電波が使用されます。

通信速度は携帯電話キャリアによりますが、最低でも下り2Gbps以上と光ファイバー並で、上りは桁が落ちるものの100Mbps以上です。

下りは最大20Gbpsに到達しますが、これは従来のLTEの20倍にあたります。

低遅延は高信頼性も併せ持つもので、理論値でいえばLTEの10分の1の1ミリ秒となります。

多数同時接続は1台の基地局で、同時に100個程度のデバイスが接続可能です。

規格では1km2あたり100万デバイスまで接続可能とされ、これもLTEの10倍と圧倒的な数字を誇ります。

リアルタイムな送受信が実現

大容量のデータも短時間に送受信できますが、5Gで重視された低遅延のおかげで、リアルタイムな送受信も実現しています。

低遅延といえばリアルタイム性が要求されるゲームがイメージできますが、遠隔による医療であったり、自動運転においても重要なポイントです。

手元の操作が遠くの機器に反映され、それが映像で分かることは、遠隔医療になくてはならない要素です。
自動運転でも、通信の遅れがあるとカメラで捉えた映像の解析と、結果に応じた動作の一連の流れに遅れが生じます。

つまり、衝突しそうになって回避しようにも間に合わなくなる恐れがありますから、画像処理や映像解析も大事ですが、低遅延の通信もまた重要というわけです。

多数同時接続100万デバイスは一見過剰に思われますがIoT時代のデバイスはスマホやタブレットだけでなく、各家庭にある家電だったり各種のセンサーも含まれます。

それから防犯カメラもデバイスに数えられるので、そうなると1km2に100万デバイスは決して多過ぎとはいえないです。

5Gの普及の遅れ

5G(第5世代移動通信システム)は普及が期待されている規格で、自動運転やAI、VRなどの分野でも活用の検討が行われています。

国際的な業界団体によれば、5Gの普及に伴い関連技術の開発も加速すると予想されます。

2025年に5Gデバイスの接続数は12億台に到達するとの予測もありますが、この予測が正しいか目を離すことができないです。

現在はまだ4Gの方が主流なので、4Gデバイスの買い替えであったり、基地局の老朽化などによる置き換えが進むのには時間が掛かりそうです。

日本でも5Gの提供は始まっていますが、普及しているとはいえない状況で、世界的に見て遅れているのが現状です。

遅れている理由には、必要性を感じるユーザーの割合が少ないこと、恩恵を受けて実感できる人が限られるなどがあります。

5G(第5世代移動通信システム)の普及は元々時間が掛かる見込みでしたが、出遅れたり当初の予定よりも普及が進んでいないのは想定外です。

結局のところ、デバイスが5Gに対応しても基地局が普及しなければ利用できませんし、5G通信に対応するエリアと4G通信に留まるムラが発生してしまいます。
日本全国どこにいても5Gという時代は、今後数年程度では訪れそうになさそうです。

これまでの世代との違い

移動通信システムは第1世代の1Gが電話のみでしたが、第2世代でインターネットやメール、第3世代でオンラインゲームや音楽と動画の視聴に対応しました。

第4世代で現在主流の4Gは高画質動画の対応に留まったので、過去の世代交代と比べてインパクトに欠けたのは否めないです。

しかしここにきて、第5世代で大きな飛躍を遂げることになります。

4Gに対し5GではIoTデバイスや自動運転車の対応を始めとして、医療分野での普及や農業にスポーツ観戦における活用も期待されます。

街中でもリアルタイムに様々な情報を得たり、自動通訳が利用できるようになるので、より日常生活が便利になったりコミュニケーションがスムーズになるはずです。

これまで固定回線に限られていた高速通信がどこでも実現するとなれば、人々の生活は変わって新たなビジネスチャンスも生まれるでしょう。

それはつまりDX実現、活用のチャンスともいえますし、5G(第5世代移動通信システム)の3つの特徴の高速大容量や低遅延、多数同時接続がアイデアの鍵を握ると思われます。

動画は4K以上の画質ですし、通信を始めればすぐに再生されますから、今までのように読み込みに待たされることがなくなります。

8K画質の配信も夢ではないので、ライブビューイングのように大画面向けの高画質動画配信も実現です。

リアルタイムで楽しめる

低遅延は物理的な距離が縮まることを意味するので、例えばクラウドサービスが手元のデバイスで動作しているかのように使えます。

最新の据え置きゲーム機がスマホでリアルタイムに楽しめる、そういう時代も5G(第5世代移動通信システム)で実現するわけです。

いわゆるクラウドゲームは既に存在しますが、入力から映像に反映されるまでにタイムラグがあり、ゲームプレイに違和感を覚えることからリアルタイム性が重要なジャンルには不向きです。

しかし、低遅延の5Gなら通信が片道最短1ミリ秒ですから、往復でも2ミリ秒と限りなくリアルタイムに近い数字です。

これならクラウドゲームも違和感なくプレイ可能ですし、世界中の人達とその場に集ってプレイするかのような臨場感ある体験ができるでしょう。

僅か1km2の範囲だけでも同時に100万デバイスが接続できるので、これが世界規模となれば想像がつかないです。

そんな5G(第5世代移動通信システム)が秘める可能性は底知れませんし、普及した後にどのような世界が訪れるか興味をそそります。

常時高速通信が当たり前になれば、DXが加速したり仕事のスタイルが大きく変わっても不思議ではないです。

モバイル

モバイルとは

モバイルは移動性や携帯性、機動性といった意味を持つ言葉で、代表的なものに携帯電話やスマホが挙げられます。

持って動き回れる、移動しながら使えるというような意味もありますから、これらの意味から携帯電話、スマホを連想するのは必然でしょう。

持ち運べる機器がモバイルにあてはまるので、当然ながらノートPCもモバイルデバイスの1つです。

かつてはPHSもモバイルを代表するデバイスでしたが、一般向けのサービスが終了したので、今後はモバイルからPHSを連想する人は少なくなるものと考えられます。

携帯できて外でも使えるという意味では、コンピュータではないものの携帯ゲーム機もモバイルにあてはまるでしょう。

このようにモバイルに該当するデバイスを知ることで、モバイルという言葉にピンとこない人でも、どういった機器かイメージできるようになるはずです。

似たような言葉にハンディーやポータブル、ポケットサイズといったものがあります。

ハンディーは片手で扱えるようなサイズのことで、必ずしも電子機器に限られないのが違います。

ポータブルは持ち運べる大きさや重さのものを指しますから、モバイルに意味は近いものの、携帯できるかどうかには言及されないです。

しかしポータブルと名がつく製品の多くは、かばんに収まる現実的な大きさだったり無理なく運べる重さです。

ポケットサイズは説明不要でしょうが、このポケットに収まるサイズのポータブルデバイスというものもあるので、ポータブルの範囲は案外広いといえます。

持ち運べるものならモバイルに該当しますが、一般的にはスマホが連想されますし、時代からするといわゆるガラケーの携帯電話を連想する人は限られるでしょう。

モバイルサイトとは

ちなみに、モバイルサイトという言葉もありますが、これはモバイルデバイス向けに調整されているWebサイトの意味です。

従来は通信速度の制限から、パソコン向けよりもシンプルで画像が少ない、テキスト中心のWebサイトがモバイルサイトでした。

スマホが固定回線と遜色のない速度で通信できるようになったことから、近年のモバイルサイトは内容ではなくレイアウトの方に力が入れられている傾向です。

モバイル向けサイトともいいますが、端末によって画面のサイズが異なるスマホには、表示が崩れないレイアウトが重要だといえるでしょう。

最近はパソコン向けもスマホ向けも内容は同じで、デバイス別にレイアウトのみ変えているWebサイトも少なくないです。

レスポンシブWebデザインと呼ばれる手法は、レイアウトをコントロールするスタイルシートのみをデバイスの種類別に用意して、アクセスするデバイスに合わせて切り替えるやり方です。

スマホは指先で簡単に表示の拡大縮小が行なえますから、それに合わせて画面に内容が収まるレイアウトが望まれます。

スマホに代表されるモバイルデバイスは、今やパソコンよりもインターネットの主流なので、スマホユーザーを想定してWebサイトを設計したりレイアウトを行うのは当たり前です。

MaaSとは

クラウドサービスのSaaSやIaaSに並び、MaaSという言葉が誕生していますから、モバイルデバイスの重要度は今後も増す一方でしょう。

 

MaaSは交通をクラウド化するという概念で、移動をサービスと考えてシームレスに結びつけるのが特徴です。

日本でもMaaSの取り組みは始まり進められていますし、スマホアプリで経路を選択して利用できたり、公共交通機関の利用を促す取り組みも行われています。

交通の効率化を支えるMaaSは、普及によって渋滞の緩和や二酸化炭素排出量の削減が見込まれます。

特定の公共交通機関だけでなく、最適な移動ルートと思われる経路上の公共交通機関が選択できるので、電車に加えてバスも有効活用が促進されることになりそうです。

自動運転車の普及にも期待が掛かりますし、人の負担も環境の負担も減る社会の実現にも繋がると思われます。

高性能化したスマホにあらゆる機能が集約され、クラウドの普及や5Gの開始などもあり、モバイルの代名詞と言っても過言ではないスマホは今後も重要な端末となるでしょう。

モバイルに関連するデジタル技術はビジネスチャンスでもあり、DX実現においても軽視できない大切な技術です。

企業にとっては従業員の業務をサポートしたり、効率アップを促進してコスト削減に繋がる技術になり得ます。

スマホで勤怠管理はもはや当たり前ですし、クラウドを使った情報共有を徹底することで、社内にいても外出先でも常に最新の状況が把握できます。

テレワークにおいてもスマホはなくてはならないデバイスで、これ1つで仕事ができることもありますが、連絡手段としてもやはり優秀なのは間違いないです。

2025年の崖

日本では2025年の崖というIT活用の遅れによる問題が話題ですが、これは企業にとっても従業員にとっても他人事ではなく、DXを積極的に推進して回避することが必要な問題です。

日本は他の先進国と比べてレガシーシステムを使い続けている企業が多く、設計や運用の開始が20年、30年前といったシステムも珍しくないのが現状です。

2025年になっても半数以上の企業がレガシーシステムを使い続けると予想されているので、本当に日本のIT活用は遅れていると痛感します。

スマホに限れば圧倒的に普及していますし、個人の手の平には最新のデバイスがありますから、古めかしい企業のシステムとの対比に驚きです。

このモバイルデバイスのスマホは、DX活用とそれによる2025年の崖を打破する可能性を秘めています。

普及しているスマホの活用がレガシーシステムを使い続ける企業のITの活用の遅れを取り戻し、巻き返しを図る切っ掛けになる可能性があります。

レガシーシステムの刷新は避けられませんが、DXの推進は5年前後の期間が必要になるので、今からシステム更新で2025年に備えるのはかなり難しいです。

しかし、スマホなら既に誰もが持っていますし、性能十分でインターネットに繋がりクラウドも使えますから、レガシーシステムの企業を救う救世主になり得るでしょう。

ただし全てをスマホ任せにはできず、レガシーシステムを置き換えるまでの一時しのぎに過ぎませんし、スマホのモバイル活用は技術の使い方が肝心なので、そこを理解することが大事です。

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