情報共有、蓄積、分析

DX化を成功させるためには、既存ビジネスのプロセスのデジタル化が必要不可欠です。既にある業務をデジタル化するためには、情報共有・蓄積・分析ツールが便利だと言えます。DX化を支援してくれる重要なツールなので、具体的な特徴や利用できる機能などを知っておくことがおすすめです。

情報共有のDXツール3選

1.オンライン会議システム

社内で素早く情報を共有するためには、オンライン会議システムを活用することができます。オンライン会議システムはテレワークの普及に伴って多くの企業で導入されたものです。利用することによって、オンライン上で会議を実施することができます。電話と違って相手の顔を見ながら話したり、共有した資料を見ながら話したりすることが可能です。音声や映像をリアルタイムで共有できることはもちろんですが、作成した文書まで共有することができます。参加者が各々の端末上でファイルを開くことができるだけでなく、オンライン会議システムの画面上で資料を共有しながら話し合いを行うことによって、参加者が自由に資料上に気になったことを書き込むことができるツールもあるので便利です。会議を録音しておく機能が備わっているオンライン会議システムも多く、録音したものを参加者と共有することもできます。オンライン会議システムを活用するのであれば、必要な資料や音声を即座に共有することができるでしょう。

2.社内チャットツール

社内チャットツールでも情報を共有できるケースが多いと言えます。プライベートで使用するツールと異なって、余計な機能が削ぎ落されていたり、ビジネス用のファイルが添付しやすくなっていたりすることが特徴的です。チャットツールを利用する場合は、社内メールよりも素早く情報を届けやすくなります。既に社内メールを導入している場合はメールで十分だと考えるかもしれませんが、社内メールで気軽にやり取りを行うことは難しい傾向があるでしょう。チャットよりも畏まった文章を作成しなければならない、通知に気がつきにくい、大事なメールが埋もれてしまいやすいといった不便さがあります。チャットであれば形式的な挨拶やメール特有のテンプレートを使用する必要がなく、比較的気軽にやり取りを行いやすいツールです。通知に気がつきやすいことや送られてきたチャットを見つけやすいこともプラスポイントであり、忙しいときでも情報共有を見逃しにくくなります。社内チャットツールはアプリ版が用意されているケースも多く、スマートフォンからの操作性も抜群です。出張中や外回り中などに必要な情報を素早く共有できるので便利だと知っておきましょう。

3.オンラインストレージサービス

オンラインストレージサービスも情報共有に役立つツールです。DX化を推進する上では、会社全体での情報共有が必要ですが、オンラインストレージサービスを利用すれば社員全員が情報にアクセスしやすくなります。従来は自社サーバーを用意してデータを保管する必要がありました。自社で膨大なデータを保管するためにはたくさんのサーバーや大容量のサーバーが必要でしたし、データを失わないためには保守管理を徹底しておく必要があったはずです。オンラインストレージサービスはインターネット上にデータを保存することができるので、自社サーバーを用意するときのような大変さがありません。セキュリティ性の高いサービスが多くなっているため、利用するサービスを厳選しておけば重要なデータでも安心してオンライン上に保管することができます。インターネット環境があればどこからでもアクセスすることができるため、社内にいないときでも情報を共有することが可能です。出先で情報が必要になったときにはオフィスで働いている人に協力を求める必要がありましたが、オンラインストレージがあれば社外でも自分で情報が取り出せるでしょう。

蓄積・分析のDXツール

蓄積や分析のためのツールも非常に便利だと言えます。ビッグデータ蓄積やビッグデータ分析のためのツールを利用することができ、大量に蓄積されたデータから知りたい内容について調べることが可能です。様々なシーンでビッグデータは活用されていますが、ビジネスのために活用される場合はウェブサイトの情報や競合他社の情報を収集するために使うケースが多いと言えます。ウェブサイトのつくりや閲覧数、閲覧者の動向から利用している広告まで調べることができるようなツールもあることを知っておくと良いです。人力では調査に時間がかかってしまうようなこと、調査が難しいことであったとしても、蓄積されたビッグデータが活用できるツールを用いることによって分析が可能となるでしょう。利用するツールによって取得できるデータに違いはありますが、たくさんの情報から必要なデータを素早く収集できる点には変わりがないと言えます。

近頃は、CDPと呼ばれる個人を軸にしたプライベート用のデータ蓄積・分析ツールを利用している企業も多いです。従来は他の企業の情報を収集するためにデータが活用されることがほとんどでしたが、顧客体験を向上させる目的で個人が軸のCDPが採用されるケースが増えています。個人のプライバシーを侵害することがない範囲で顧客体験向上に必要なユーザー情報や閲覧情報を取得できるようになるので、効果的なマーケティングを実現したい場合などに便利です。

共有・蓄積・分析のDXツールは自社にあう適切なものを選択しよう

情報の共有や蓄積、分析には様々なツールを利用することができます。それぞれの分野で多彩なツールから利用するものが選べるようになっているので、自社に合ったものを選ぶことができるはずです。同じ情報共有ツールであったとしても、選ぶものによってオンライン会議やチャット送信ができるのか、データを保管するだけなのかなどの違いがあります。とても便利なツールであることに間違いはありませんが、有意義な利用にするためには各ツールの特徴を理解した上で自社に最適なものを選ぶことが大切です。DX化が進んでいない企業は社員1人1人が情報を保管していたり、部署外から情報を確認することが難しかったり、大量のデータの蓄積や分析ができていなかったりします。

デジタル技術の活用の一環として、ツールを使った共有・蓄積・分析は非常に重要だと理解しておきましょう。

 

契約管理

契約管理ツールもDX化を推進する際に重宝するツールです。情報共有ツールと同じく、テレワークが広まったことで利用する企業が多くなっています。従来は紙で契約書を作成する企業が多かったです。紙媒体の契約書を手書きで作成し、契約が締結した後にはファイリングして保管したりスキャンして電子データとして保存したりする企業は少なくありませんでした。今でもこうした方法で契約管理を行っている企業がたくさんありますが、最近では契約管理ツールを活用することで契約書の電子化やスムーズな電子管理を実現している企業が多くなっています。

契約管理のDXツール

1.法務専用のシステム

様々な種類の契約管理ツールがありますが、契約書の管理に特化したものは少なく、多機能なシステムに契約管理機能が搭載されているケースが多いです。代表的なものには法務専用のシステムをあげることができます。契約書の作成やチェックをスムーズに行うための機能が搭載されていることが多いです。管理台帳への入力の面倒さや契約書を見つけ出すことの大変さを解決することができるツールであり、入力や検索などの機能を活用しながらスムーズに業務をこなせるようになります。特別なツールを使わない方法で契約書をスキャンして保存する場合は、一般的にスキャンしたデータを画像データとして保管することになっていました。けれども、専用ツールの場合はスキャンした契約書を画像ではなくテキスト情報として処理することができます。精度の高いテキスト化システムを搭載するツールが増えているので、スムーズかつ確実な作業を実現しやすいです。テキスト情報として保存できるので、データベース化して契約書を取り出しやすい状態にすることができます。

2.スキャンによる管理だけに特化したツール

他には、スキャンによる管理だけに特化したものや契約書以外の文書もまとめられる機能が搭載されているものを利用することが可能です。自社で契約書を電子化するだけでなく、取引先と電子契約をしたい場合は電子契約サービスを活用することもできます。ツール上で作成した契約書を印刷して取引先に送付する手間を省くことができ、システム上に作成した契約書を保管しておけば取引先の方にアクセスしてもらって契約が締結できるようになるでしょう。契約書を郵送するためのコストや手間が不要となりますし、遠方の取引先であっても契約書が完成したらすぐに契約を締結させることができます。

契約管理のDXツールの導入メリット

契約管理ツールを導入することによって、契約に関する様々な業務の効率を改善することができるでしょう。テンプレート部分を印刷した契約書を使用する企業は多く、契約相手や内容に応じて部分的に手書きで契約書を作成するケースは少なくありません。一部は印刷されていますが、毎回手書きで契約書を作成していると、この作業に膨大な時間を費やすことになります。契約管理ツールではツール上で作成が可能となるので素早く作成することができますし、入力ミスはすぐに修正できるので手書きのときのように全てを書き直す必要がありません。契約書を電子化しておくことによって、特定の契約内容を確認したいときにはデータベースから該当の契約書を素早くピックアップすることができます。紙媒体で保管しておく必要がなくなるので、社内の物理的なスペースを保管した契約書で圧迫せずに済むという利点もあるでしょう。自動入力機能や文字読み取り機能がある場合は、担当者が手作業で入力しなくてもある程度自動で入力作業を済ませることができます。契約管理ツールを用いる場合は、更新期限を通知してもらうことも可能です。定期的に更新を行うべき契約を締結している企業もあるはずですが、アナログな方法で管理していると期限を見逃しやすくなります。管理システムを導入すればシステム上でポップアップ通知を受け取ることができたり、メールでアラート通知を受け取ることができたりするケースが多いです。契約書ごとに通知の回数やタイミング、通知先を設定できるようなツールもあるので便利だと言えます。システム上で作成や管理を行うと、誤ってデータを上書き保存してしまうのではないかという不安を抱く人も多いです。誤って上書きしてしまうこともあるかもしれませんが、多くの契約管理システムにはバージョン管理機能が搭載されていることを知っておきましょう。バージョン管理機能を利用すれば上書きを行う前に戻ることができるので、誤った操作が行われる前の契約書を取り戻すことができます。締結後は契約書をロックできることが一般的なので、ロックできる場合は編集ミスも改ざんも心配する必要がないです。

契約業務は正確さが求められる重要な業務だと言えます。重要な業務なので丁寧な作成や厳しいチェックが必要不可欠であり、アナログなやり方ではどうしても手間がかかってしまうはずです。契約管理システムを採用するのであれば、正確かつ迅速に契約書の作成や契約締結、保管から取り出しまで行えるようになります。また、DX化を推進する企業が増えていることで、電子契約を求める企業が増えていることも知っておくと良いです。電子契約が可能な企業と優先的に契約するような企業もあるほどなので、導入しておいて損はないと言えます。反対に電子契約を取り入れていない企業からは不便だと思われそうだと危惧するかもしれませんが、送信したURLをクリックするだけで簡単に契約書にアクセスできるようなシステムが多いため、導入が進んでいない企業が相手でも安心して利用しやすいです。必要に応じて契約書を出力できるものも多いため、紙媒体での契約を求める取引先がある場合でも柔軟に対応することができます。

契約管理システムはチームに役立つである

タスク管理機能まで搭載されている契約管理システムもあるため、部署内やチーム内で協力しやすいというメリットも感じられるはずです。契約業務は属人化しがちな業務ですが、タスク管理機能があることでチーム全体で契約状況や進捗状況を把握しやすくなるでしょう。急に休んだ社員や退職した社員がいるときでも現状を素早く把握してフォローすることが可能です。契約業務の効率アップのためにも、チームワーク向上のためにも契約管理システムは役立ってくれるシステムだと言えます。

 

自動化

DX化を進めていく際には、自動化ツールを活用することもおすすめです。以前から生産現場や工場ではロボットによるオートメーション化が進んでいました。製品の製造にロボット、工場内で材料や製品を運ぶ際に輸送型ロボットが使用されています。そのため、自動化と聞くと生産現場や工場におけるオートメーション化を思い浮かべる人は多いはずです。しかしながら、DXを推進している企業ではパソコン作業を自動化するツールを導入するケースが増えています。単純な事務作業などを自動的に実施してもらえるようになるので、業務効率をアップしたり社員の負担を減らしたりすることに繋がることを知っておくと良いです。

RPAツール

パソコン作業を自動化するツールやRPAツールと呼ばれることが多いと言えます。RPAはRobotic Process Automationの略称であり、直訳するとロボットによるプロセスの自動化という意味を持つ言葉です。人間が行っているパソコン作業をロボットに行わせることは無理があると考える人もいるかもしれません。ロボットは最初に出した指示通りにしか動けないと勘違いしている人もいますが、最近ではAI技術の進歩によって柔軟に対応してくれるロボットが生み出されています。自動化ツールを利用する際には定型作業を記憶させることになりますが、必要に応じて柔軟に工程を変更できる点が便利なポイントです。もちろん、初めのうちは処理中のエラーにロボットだけで上手く対応することができません。処理エラーが起こるとロボットは処理を中断したり後回ししたりすることになります。最初から想定外の事態に対応できるわけではありませんが、エラーが出るたびに人間が手入力で修正を行うことを続ければ、ロボットは処理方法を学習していくので、次回からは同じエラーで処理が中断しなくなるでしょう。学習してくれるまでは人間によるサポートが必要ですが、初日は50％程度の精度であったとしても30日ほどで99％以上の精度になるケースもあります。

RPAツールのような自動化ツールは、パソコンのみで完了する作業とルール化された定型業務が得意です。大量のデータをまとめたり社員や取引先にメールを送信したり、請求書や伝票の作成や印刷を行ったりすることが得意だと言えます。こうした作業はパソコンだけで作業を行うことができますし、形式化しているケースが多いのでロボットだけでも十分に処理できるようになるはずです。文書の作成や送信だけではなく、データの分析やグラフ作成などに対応しているケースも多く、幅広いパソコン作業を任せることができるでしょう。

自動化ツールの導入メリット

自動化ツールを採用することには、たくさんのメリットがあります。社員の負担が減ることが大きなメリットであり、これまで人の手で行っていた作業をロボットに任せられるので便利です。単純作業が多くて残業や休日出勤が多かった企業であれば、自動化ツールの導入によって社員が定時で退社できるようになったり、休日に出勤せずに済んだりする可能性が高くなります。ロボットを使う場合は社員がいない時間に稼働させておくこともできるので、学習済みのロボットであれば社員の退社後に稼働させ、翌日出社したら作業か完了しているという状態にすることも可能です。社員の業務量を減らすことができれば、他の仕事に打ち込んでもらえるようになります。営業部門を例とするのであれば、データをまとめる作業やメールを作成する作業を自動化しておくことで、社員は顧客へのアプローチ方法を考えたり取引先を訪問したりすることに多く時間を費やせるようになるでしょう。ミスが発生しづらくなることも大きな魅力です。単純作業だからこそ、長時間繰り返すことによってヒューマンエラーが起こりやすくなります。人間よりも一定ペースでミスなく処理できるロボットのほうが単純作業に向いていると言えるでしょう。更に、コストを削減することもできます。単純作業をこなすために派遣社員を給与20万円で10人雇う場合、月々200万円の人件費が必要となるでしょう。ロボットによる自動化を選ぶのであれば、機能によりますが月額10万円から20万円程度で利用できるケースが多く、圧倒的にコストが安くなります。コストを節約することができれば、そのリソースを有効活用することができるという利点があることも知っておくと良いです。

自動化ツールの導入を検討してみましょう

レガシーシステムから脱却することによって、競争の激しい市場で他社に勝てるようになることが、DX化を推進する目的の1つだと言えるでしょう。自動化はこの目的を達成するために大きく貢献してくれます。単純作業は直接利益を生み出すものではありません。やらなければならない業務に違いはありませんが、顧客や取引先へのアプローチ、新製品の考案などの利益を生み出す業務に力を入れなければ意味がないです。自動化するためのツールを取り入れることによって直接的な利益に繋がらない作業をロボットに任せられるようになり、社員は利益に直結しやすい業務に打ち込めるようになります。クリエイティブな業務や顧客へのアプローチを増やすことができれば、より良い製品やサービスの開発、顧客獲得数のアップを期待することができ、激化する市場で生き残れる企業となるはずです。

24時間365日働いてもらえるロボットを活用した自動化は、DX化の成功の鍵を握るシステムの1つだと言えます。これからは、利益に繋がらないけれど実施しなければならない業務にかける手間を減らしていくことが大切です。自動化ツールを取り入れることによって単純作業にかける手間が減るだけでなく、コスト節約やミス削減などの嬉しい効果を期待することもできます。学習能力があるロボットを採用するからこそ自社にフィットした内容で稼働させることができるので、安心して作業を任せられるようになるでしょう。生産現場や工場でロボットを取り入れていても、パソコン作業を行うようなオフィスでは取り入れていない企業が多いと言えます。早めに導入すべきツールの1つなので、まだ取り入れていない場合は活用を検討してみると良いでしょう。

 

生産管理

生産現場では製品をつくるためにデジタル技術が活用されていることも多いですが、最近では生産管理の面でもデジタル化されていることを知っておきましょう。製品をつくる際には管理しなければならないことがたくさんあります。製造計画を立てて生産したものは品質検査を行ってから販売することになり、原価計算や在庫管理も必要となるでしょう。たくさんの工程があるのですが、従来は表計算ソフトで管理しているケースが多かったです。必要工数を表計算ソフトで算出したり、指示書を紙媒体で管理したりすることが多かったのですが、作業に時間がかかるだけでなくミスが発生しやすいという問題点もありました。生産管理システムを導入するのであれば、迅速かつ正確な生産管理の実現が可能であり、生産に関する業務を一貫して管理できるという便利さがあります。

ERPツールとは？

製造現場の生産管理を行うために利用できるツールはたくさんありますが、会社全体で活用できるERPと呼ばれるものが採用されるケースが多いです。ERPはEnterprise Resources Planningの略称であり、直訳すると企業資源計画となります。生産管理は現場で働く人だけでなく、経理部や財務部、営業部も関わるケースが多いです。表計算ソフトを活用する場合はリアルタイムで情報を共有することが難しく、部門ごとに情報が散らばってしまうケースがほとんどでした。ERPのようなツールを用いることで、実際に製造を行っている現場だけではなく、関係する全ての人が情報の確認や登録が行えるようになっています。

生産管理ツールを導入のメリット

1.情報共有と素早い意思決定を実現することができる

生産管理ツールを導入するのであれば、製品に関する円滑な情報共有と素早い意思決定を実現することが可能です。製造工程を可視化することができますし、原価や品質検査結果、在庫数などをすぐにチェックすることができるので、業務効率をアップすることができます。計画や実績、原価などの機能が搭載されているケースが多く、計画管理機能では生産予定や調達予定を管理できるでしょう。何をどれくらい仕入れたりつくったりする必要があるのか、スムーズに判断しやすくなります。実績管理では在庫数や工程を管理することができ、急な受発注に対応することができるか判断したり、工程の見直しに役立てたりすることが可能です。原価を管理する機能ではこれまでの実際の原価や推移などを確認できます。利用するツールによっては最適な工程や原価を提案してくれるもの、受発注システムと連動できるものもあるので、自社の生産現場に最適なツールを選んで使用することが可能です。

2.資産を可視化できる

もしも、生産管理のためのシステムを導入するのであれば、業務効率を改善できるだけでなく、自社の資産を可視化できるようになります。生産現場における資産は、自社で保有している製品在庫だけを示しているわけではありません。スキルやノウハウなども資産に含むことができますが、生産管理ツールによってこういった資産を可視化することも可能です。少ない工程で高品質な製品を生み出している、原価を抑えてクオリティの高い製品をつくっているのであれば、優れたスキルやノウハウを持っていると言えます。DX化を推進する際には従来のビジネスモデルをデジタル化することで新たなチャンスを見つけることが大切だと言えますが、生産管理ツールを活用すれば自社の現状や強みを判断できるようになるでしょう。原価や出荷数、品質などから総合的に製品を分析すれば、新たな商品開発のきっかけとなる可能性もあります。業務効率をアップできるだけでなく、新ビジネスの獲得に繋がる可能性があるところも生産管理ツールの魅力です。

3.コスト削減やビジネスチャンスの獲得に繋げやすい

生産管理ツールは現場で製造作業を行う人以外も閲覧や編集を行うことができるため、コスト削減やビジネスチャンスの獲得に繋げやすくなります。現場がメインとなって情報を管理していると、他の部門は実態を素早く把握することができません。ツールを用いることによってリアルタイムで実態が把握できるようになるので、早い段階で不要なコストに気がつくことができたり、強みを活かした新たな製品やサービスを思いついたりする可能性が高くなることを知った上で利用してみると良いでしょう。

4.既存の顧客の満足度を高められる

便利な生産管理ツールを活用することによって、新たな可能性を見出せるだけでなく、既存の顧客の満足度を高められる可能性があることも知っておくと良いです。たとえば、取引先から商品の注文を受けた場合は、受発注を担当する部門が依頼を受け、在庫状況を確認したり製造現場に必要個数を伝えたりすることになります。円滑な確認や伝達に繋がるシステムがなければ、在庫確認に時間を要して取引先を待たせたり、情報の伝達が遅くなって納品が遅くなったりするリスクもあるでしょう。生産管理ツールがあれば各部門の社員が自由に情報にアクセスできるので短時間で確認することができますし、電話やメールなどで注文について伝えなくてもシステム上で製造依頼を出すことができます。クラウド型の生産管理ツールであれば、営業マンが訪問営業で獲得した契約があるときにも素早く発注をかけることが可能です。電話やメールになると忙しくて対応が遅れてしまったり見逃してしまったりすることがありますが、生産管理システムの場合は通知がしっかり行われるので現場の社員が発注などに気づきやすいというメリットもあります。

生産管理ツールを導入で勝ち抜くビジネスを生み出そう

DX化を進めるときには、市場で勝ち抜くために顧客の満足度を高めたり、新しい魅力的なビジネスを生み出したりすることが大事です。生産管理ツールもこれらを実現するために役立つものなので、積極的に取り入れることをおすすめします。DX化の推進の際には、どの部分から取りかかるかというポイントも重要ですが、生産管理も早めにデジタル化に対応しておくべきだと言えるでしょう。企業活動に重要な製品の製造や原料の仕入れなどに関わってくる部分なので、早いうちに対応しておくに越したことはありません。生産管理システムの具体的な特徴からDX化における重要性まで理解しておき、自社にピッタリな内容のツールを取り入れることができるようにしておくべきです。