SaaSとは?
企業がデジタル化を推進するようになって、SaaSが利用されるケースが増えています。
業務効率改善やコスト削減に繋がる素晴らしいものとして知られていますが、取り入れる前にはこれに関する知識を身につけておくことが大事です。
十分な知識がないまま導入しようとすると、想像していた使い方が実現できなかったり、無駄な出費が発生したりする可能性が高いと言えます。
現在では多彩な会社からSaaSが提供されているので、基礎的な知識を身につけておくことで最適な選択ができるようにしておくことも重要です。まずはSaaSに対する理解を深めておきましょう。
Software as a Serviceの略称であるSaaSは、簡単に説明するとインターネットを経由することで利用できるソフトウェアです。サースと読むことができ、日本語に訳する場合はサービスとしてのソフトウェアとなります。
ソフトウェアの導入方法はいくつかあげることができるでしょう。
高度なスキルを持つ人材がいる場合は自社開発のソフトウェアを利用する方法もありますが、これまでは記録媒体に入ったソフトウェアをインストールして利用する方法が一般的でした。
CD-ROMにソフトウェアが入っているケースがほとんどで、これを購入してパソコンの光学ディスクドライブに読み込ませてインストールを実施します。
ソフトウェアを組み込まれた記録媒体を使用する方法は、サービスを購入したと表現するよりも製品を購入したという表現が正しいです。SaaSの場合は特別に記録媒体を購入する必要がありません。
利用手続きを済ませてインターネット経由でクラウドにアクセスすれば、クラウド上のソフトウェアを利用することができます。
記録媒体を入手する従来の方法は製品を購入する形式でしたが、SaaSは提供されるサービスを利用する形式だと言えるでしょう。
SaaSには豊富な種類があります。
多数のベンダーからサービスが提供されていますが、全てのサービスは汎用型と特化型に分類することが可能です。
汎用型のSaaSはHorizontal SaaSと呼ぶことができ、特化型のSaaSはVertical SaaSと呼ぶことができます。
一般的にこのサービスの名前があがっているときには、汎用型のものを指しているケースが多いです。
名称から分かるように、汎用型は広く色々な方面で利用することができます。
どのような業界や業種、企業であっても必要とされるようなベーシックな機能の利用が可能です。
円滑なコミュニケーションを実現するためのビジネスチャットや会計業務を効率化する会計ソフト、場所に関係なく会議に参加するためのオンライン会議システムなどが汎用型に含まれます。
特化型は特定の業界や分野で役立てられるサービスであり、建設業や農業、医業や飲食業、美容業界などを始めとするあらゆる業界や分野を対象とするサービスが誕生していることを知っておくと良いです。
汎用型でも便利な機能を使うことができますが、その業界ならではの作業を実現することが難しいケースが多いと言えます。
特化型を用いるのであれば、業界に合った機能が使えるようになるはずです。
農業分野では作業効率アップを目指すためにデータ活用が行えるソフトウェアが誕生していますし、医療分野ではオンライン予約やオンライン診療を実現するためのソフトウェアの人気が高いと言えます。
飲食分野ではテイクアウトを円滑に導入するためのソフトウェアや、食材の流通経路を整理するためのソフトウェアなどが利用されています。
一般的にクラウドサービスと呼ばれているものがSaaSだと思ってしまう人もいますが、クラウドサービスの全てがSaaSではないことに注意が必要です。
SaaSはクラウドサービスの一部ですが、クラウドサービスの全部をSaaSとみなすことはできません。
そもそも、クラウドサービスはインターネット経由で利用できるサービス全体を示している言葉です。
動画を配信しているビデオオンデマンドやゲームソフトや楽曲の配信を行うストリームも、クラウドサービスに含まれます。
SaaSはインターネット経由によって利用できるソフトウェアだけを指しており、基本的にはビジネス利用を目的としたサービスを指す言葉です。
このサービスに対して正しい理解を持ちたいのであれば、間違えやすい類似サービスについて知っておくことも大切だと言えます。
PaaSやIaaSは頭文字が違うだけで表記名が似ていますが、全て違った特徴を持っていることを知っておきましょう。Platform as a Serviceの略称であるPaaSは、クラウド上でプラットフォームが利用できるサービスです。
大規模データセンターにアプリケーション稼働のためのネットワークやサーバ、OSやミドルウェアといったプラットフォームが用意されていることが特徴的だと言えます。
PaaSを利用するのであれば、プラットフォーム上で開発が進められるでしょう。
Infrastructure as a Serviceの略であるIaaSは、インフラが提供されています。
クラウドコンピュータの1つであり、仮想サーバやネットワークといったインフラをクラウドにて利用できるサービスです。
名前は似ているもののPaaSもIaaSもSaaSとは内容が大きく違っているので、導入する際には他のサービスと内容を間違えてしまうことがないように気をつけておきましょう。
SaaSはこうした特徴を有するものであると理解しておく必要があります。
どういったサービスであるかきちんと理解しておくと、本当に自社に必要なのか判断できるようになったり、自社に最適なサービスを選べるようになったりするでしょう。
ただし、基本的な知識を持つだけでは選定の際に失敗してしまうリスクがあります。
自社へ取り入れることを考えているのであれば、失敗が起こらないようにするためにも導入の際に注意しておくべきことまで理解しておくことが大事です。
基礎的な知識を身につけることができたのであれば、それを踏まえた上で導入時に注意する必要があるポイントを確認しておきましょう。
機能の過不足
SaaSを採用するのであれば、機能の過不足がないかどうか気をつけておく必要があります。
便利なソフトウェアが利用できるサービスであることには間違いありませんが、選び間違えると必要な機能が搭載されていないかもしれません。
たとえば、オンライン会議システムを利用するときには、会議を行いながら専用のホワイトボードやノートに書き込みを行えるケースも多いです。
けれども、全てのサービスでこの機能が搭載されているわけではなく、絶対に搭載されているものだと勘違いしていると会議をしながらホワイトボードが使用できないという問題が起こります。
議事録作成のために録音するつもりが、リアルタイム会議だけの対応で後から聞き返すための録音サービスはないケースもあるでしょう。
他の内容に特化しているサービスを利用する場合にも、似たような問題が起こる可能性があります。
必要な機能が実は搭載されていなかったという問題を起こしたくないのであれば、事前に自社に必要なものを整理しておくことが大事です。
ソフトウェアやサービスを利用するときには、担当者が利用するものを選んで契約手続きを進めることも多いと言えます。
担当者が手続きをすること自体は悪くありませんが、このトラブルを避けるためには実際に利用する人にも選定に携わってもらうことが重要です。
上層部や総務部が便利そうなサービスを適当に選んでしまうのではなく、実際にソフトウェアを活用することになる人たちから必要な機能を聞き取っておく必要があります。
使いたかった機能が使えないという問題を防ぐためには、多機能なSaaSを利用すれば良いと考える人もいるかもしれません。
確かに、多彩な役割を果たしてくれたり便利なシステムが搭載されていたりする場合は、充実した導入を実現できる可能性があります。
しかしながら、無駄が多いことも問題だと言えるでしょう。
使わないものが多数取り入れられているものを選んでしまうと、便利そうに見えても実際に利用するのは一部だけになってしまう可能性が高いです。
そういった場合、実際に使っている内容だけが取り入れられているサービスであれば、もっと安く利用できたというトラブルに繋がるかもしれません。
十分に使いこなすのであれば多機能なサービスを選んでも問題ありませんが、便利そうだという思いだけで選ばないことが大切です。
こちらのトラブルを避けるためにも、必要不可欠なものを書き出したり、現場の従業員から要望を聞いたりしておく必要があります。
機能は多くても少なくても問題です。
少なければ思い描いていた利用方法を実現することが困難になりますし、多ければかえって業務効率を低下させてしまうリスクがあります。
SaaSを導入すれば情報を一元管理することができるようになったり、速やかにコミュニケーションを取れるようになったりするはずです。
利便性の向上や業務効率改善に役立てることができますが、不要なものがたくさん存在していると作業効率を低下させます。
たくさんのボタンが用意されていて、本当に必要なボタンをすぐに選べないという問題が発生することもあれば、操作方法が複雑で慣れるまでに膨大な時間がかかってしまうというトラブルに繋がることもあるでしょう。
低コストであることを重視して必要なものが不足したり、あればあるほど良いと思って不要な内容まで含まれたものを選んだりしないようにしてください。
これによるトラブルを防ぎたいのであれば、利用したいSaaSで一般的に搭載されている内容と利用候補のサービスで実際に採用されている内容を比較しておくと良いです。
下調べが十分でなければ導入後に他のサービスであればもっと便利だったと気づくことになるかもしれません。
無料お試し版やトライアル版が用意されている場合は、実際に利用してみることも大事だと言えます。
どうせ購入するのだからお試しは不要だと考える人も少なくないです。
ですが、本当に自社に合った内容が含まれているかどうか判断するためにお試し版はとても便利なものだと言えます。
頭の中で利用シーンを想定しながら必要なものと不要なものを書き出しておいたとしても、実際に使ってみると取り入れたものが不要だったりほしいものが増えたりすることが多いです。
事前に無料お試し版やトライアル版で使用感を確かめておけば、実際に使いつつ過不足がないか判断できるようになります。
1週間から1か月ほど無料やリーズナブルな価格で利用できるケースが多いので、候補のSaaSは正式に契約する前にお試しで使ってみると良いです。
お試し版やトライアル版がない場合、これらを試している暇がない場合は後から追加できるオプションが用意されているサービスを選ぶことがおすすめだと言えます。
CD-ROMを買ってインストールするのであれば、別の機能がほしくなったときに追加することが難しいです。
SaaSはクラウド上でソフトウェアを利用するので、必要な機能は好きなタイミングで追加できることが多いと言えます。
実際に使ってみないと必要性が正しく判断できないという内容がある場合や、後から過不足に気づいて後悔をしたくないという場合はオプション利用が可能なサービスを選んでください。
追加できるだけでなく不要なものは後から省けるケースもあるので、柔軟な対応が期待できるものを選ぶと失敗する可能性が低くなります。
SaaSにおいて利用できる機能は非常に重要な部分です。
使いたいものがなければサービスを利用する意味がなくなりますし、無駄に搭載されていることで使い勝手が悪くなってしまうことも問題だと言えます。
契約する前に注意点を知っておけば回避することができる問題なので、このトラブルを経験することがないようにしておきましょう。
何となく便利そう、安かったからなどの理由で決定するのではなく、現場の従業員から意見を聞いたりお試し版を使ってもらったりして満足度が高いものを選ぶことが大事です。
こうした内容をきちんと意識しておくのであれば、納得できるSaaSを選んだり自社に合ったサービスを利用したりすることができるようになるでしょう。
対応OSやデバイス
どのようなソフトウェアやシステム、ツールを導入するときにも意識しておくべきポイントですが、対応OSとデバイスの確認を怠ってはいけません。
大切な要素でありながら、意外と見逃してしまう人は多いと言えます。
魅力的だと感じたサービスがあれば、機能や価格ばかりを意識してしまい、自社のOSやデバイスに適合するものか確認しないまま手続きを進めてしまう人も多いです。
OSに対応していなければ契約したのに利用できない、デバイスに対応していなければ利用したい端末から使えないという問題が起きます。
パソコンから利用する場合はWindowsとmacOS、スマートフォンから利用する場合はAndroidとiOSからOSを選ぶことになるでしょう。
対応OSをチェックするときには、社内のパソコンと一致していれば良いというわけではないです。
リモートワークやテレワークの導入によって、社内パソコンだけではなく私物パソコンを自宅などで使用して業務をこなすケースが増えています。
社内のパソコンがWindowsだからこれを選べば良いなどと安直に考えてしまうと、テレワークでオンライン会議システムやビジネスチャットツールを利用したい人が使えないという問題を引き起こすかもしれません。
今現在は社内のパソコンのみで業務を行っている企業でも、今後働き方が変化しないとは言い切ることは難しいです。
絶対に社内パソコンしか業務に使用しない、他のOSを導入することはない、テレワークの際には会社から現在と同じOSのパソコンを支給するなどの考えがある場合は、現在利用しているOSに対応していれば良いでしょう。
反対に言い切ることができないのであれば、どちらのOSにも対応しているサービスがあるので、そういったものを利用してみると良いです。
スマートフォンのOSに関しても、社用スマートフォンを支給していないのであれば、AndroidとiOSのいずれにも対応しているサービスを選ぶべきだと言えます。
社員全てがどちらかのOSを使っているとは考えづらく、私物のスマートフォンでSaaSを使えるようにしたいのであれば両方のOSに対応していることが重要です。
4種類のOSの1つだけに対応しているというわけではないので、使用する可能性があるOSに対応しているかどうか確かめておくことが大切だと言えます。
それと同時に対応しているブラウザについて確認しておくことも重要です。
SaaSは基本的にブラウザ上で使用することになりますが、各OSのメインブラウザで以外には対応していないこともあります。
OSごとに推奨されているブラウザを使用せず、別のブラウザをインストールして使っているような場合は、OSと一緒にブラウザも対応しているかどうか確かめておく必要があるでしょう。
最悪、いつも利用しているブラウザに対応していなくても、そのOSから利用できる別のブラウザでSaaSを利用することができます。
けれども、使い慣れたブラウザを使えないことがストレスになったり、お気に入りや拡張機能を利用するために以前から使用しているブラウザと同時に立ち上げることで煩わしさを感じたりする可能性が高いので、きちんとチェックしておくことがおすすめです。
OSと一緒にデバイスの確認もしっかり行っておく必要があります。
普段業務で使うことが多いパソコンに対応しているから問題ないと判断してしまうと、後から不便さを感じることになるかもしれません。
スマートフォンのような持ち歩きやすいデバイスに対応しているSaaSであれば、利用シーンを広げることができます。営業や出張に必ずパソコンを所持するわけではない人も多いですが、スマートフォンに対応したSaaSであればパソコンがなくても外出先からソフトウェアを使用することが可能です。
プレゼン資料の見直しや共有、報告書の作成や今後のスケジュールの登録などを行うこともできます。
外回りや出張を行っているときに急ぎで話し合わなければならない問題が発生したとしても、スマートフォンからオンライン会議システムを使用し、共有された資料を確認しながらスムーズに会話することが可能です。
近頃は営業に特化した機能を搭載するSaaSも増えており、最短ルートの提示や訪問先の登録が行えるサービスもあります。
パソコンからの利用のみであれば出先でこれらの機能を使うことができませんが、マルチデバイス対応であれば外回りを行っている最中にサービスを利用することが可能です。
マルチデバイス対応であればサービスごとに利用する端末を使い分けやすいことも魅力であり、ビジネスチャットツールやスケジュール管理ツールはスマートフォンから、会計ソフトや顧客情報管理ツールはパソコンから利用するなどと使い分けることができます。
利用したいサービスの公式ホームページを訪れると、対応しているOSやデバイスがハッキリと明記されているはずです。
見落としてしまう人も多いですが、これが実際に利用するものと合っていなければ全く利用できなかったり、正常な動作にならなかったりする可能性が高いと言えます。
せっかく契約したのに使うことができなかったという問題を引き起こしてしまえば、時間もお金も無駄にすることになるでしょう。
パソコンを利用するかスマートフォンを利用するか、いずれのOSを利用するのかという点に注意しておく必要がありますが、システム開発を行う企業であればLinuxで利用できるか、タブレットを利用する会社であればiPadOSでも利用できるか調べておくと良いです。
自社の業務環境に応じたものを選ぶ必要があるので、いい加減に決めてしまうことがないようにしてください。
また、現在の業務環境を考慮するだけではなく、将来的に働き方や活用するデバイスなどが変化しないかどうか考慮しておくことも重要です。
活用するOSやデバイス、ブラウザが限定されていない企業は柔軟に使えるサービスを選択するべきですし、限られたものだけを使っている会社は今後もその方針が変わることがないか考えた上で選択する必要があります。
満足できるSaaSを選ぶためにも、このポイントも意識しておきましょう。
契約形態や価格プラン
契約形態と価格プランの比較も重要です。
記録媒体を購入してインストールするようなソフトウェアは、1回購入すれば新しい製品を購入するまで費用は必要ありません。
SaaSの場合は買い切りではなく、基本的に月額料金を支払うことになっています。
毎月契約した内容に応じた請求が行われるケースが多いですが、利用するサービスを決定するときに単純な月額料金だけ比較してはいけません。
契約期間や形態によって価格が異なるものも多いので、ホームページ上では安く見えたのに実際に契約すると想像以上に高くなったというトラブルが起こる可能性があります。
毎月定額制のSaaSもあれば従量課金制のSaaSもあるので、自社に合ったものを選べるようにしておくべきです。
定額制は決められた料金を支払うことになりますが、従量課金制は利用状況に応じた料金が必要となります。
どちらが最適であるか判断するためには、利用する予定がある人数や利用したい機能、通信料などを考慮する必要があるでしょう。
SaaSを利用する場合は月々に費用を支払うことになるケースが多いですが、柔軟にプランを変更できるケースもあれば決まったタイミングでなければ変更できないケースもあります。
十分に実際に利用するときのことを予測していなければ、想像していたよりも利用する人が多くて高額になってしまった、制限よりも実際の通信料が少なくて損に感じてしまうという問題が発生するかもしれないです。
同じベンダーが提供しているSaaSで定額制と従量課金制の2種類が用意されていれば、後々変更できる可能性がありますが、どちらか一方しか用意されていなければ内容を変更して使い続けるという方法を選ぶことができません。
別のサービスに切り替える場合はまた初めから使い方を覚え直したり、データを登録し直したりする必要があるので大変です。
慎重に定額制と従量課金制のどちらが良いか検討するべきですし、今後利用人数や通信料が大きく変わってしまう可能性がある場合は、柔軟に対応できるようなプランが用意されているサービスを見つけるようにしてください。
ベーシックな価格プランだけではなく、オプション追加による金額の違いもチェックしておくべきです。
多くのSaaSではオプション機能を設けています。
最も安いプランでは少ない機能や基本的な機能だけを使うことができ、中間プランは基本的な機能に加えて一部の便利な機能が利用できることが多いです。
高額なプランを選択すれば、クラウドサーバに保存できる容量が無制限となったり、他のプランでは利用することができなかった最新技術を取り入れたりできるケースが多いと言えます。
複数のプランから選択する場合は、後々追加料金が発生しないかどうか考えておくことが大事です。
個別で必要な機能だけを追加するよりも、初めからそれらの機能が追加されているSaaSを利用したほうがコストが抑えられることもあります。
いずれ、利用したい機能が増える可能性がある場合は、初めから搭載されているサービスとオプションとして追加できるサービスのどちらのほうがお得かチェックしておくと良いです。
長期的な目で見て契約形態や価格プランを選択することも重要だと言えます。
新規採用による利用人数の増加、事業の展開による必要な機能の増加なども考慮する必要がありますが、長い目で見たときに安定した運用が実現できるか考えておくことが大事です。
リーズナブルなプランが用意されていることが多いSaaSですが、選ぶものによっては月々の支払いが高額になってしまうこともあります。
魅力的な機能を使うことができるから高くても仕方ないと考えるかもしれませんが、SaaSは利用している期間はずっと月額料金を払い続ける必要があるサービスです。
最初は少し高いと感じるくらいで済んだとしても、毎月高額な出費が続くことで財政状況が悪くなってしまう可能性があります。
今のままの利益を生み出すことができれば支払いで苦しむことはないけれど、少しでも利益が下がるとSaaSの利用料が大きなダメージとなる可能性もあるでしょう。
現時点で投入できるコストを考えるだけではなく、同じ出費が続いたとしても問題ないかどうか確かめておくことが大切だと言えます。
契約形態や価格プランは企業に応じた内容を提示してもらえるケースもあるでしょう。
あらかじめいくつかのプランが用意されており、その中から選ばなければならないケースもあります。
ですが、利用したい人数や機能に合わせてプラン内容をカスタマイズしてもらえるケースも少なくありません。
自社に合った内容にカスタマイズしてもらうのであれば、お得で最適な内容になりそうですが、この方法を選ぶときにも注意が必要です。
フィットする内容に仕上げてもらうことができたとしても、実際には同じような内容で他のサービスがもっと安く利用できる可能性もあります。
自社の状況や希望を踏まえた上でプランを提案してもらえるのであれば安心だとは思わずに、やはり他のサービスと比較することが大切です。
利用人数が多い場合などは必然的に独自プランとなってしまうケースが多いですが、失敗をしないためには各ベンダーから見積もりを出してもらうことをおすすめします。
気になるSaaSを提供している複数のベンダーから搭載できる機能と詳細な料金を提示してもらい、見積もりを比較しながら最適なものを選ぶと良いでしょう。
SaaSはとても魅力的なサービスですが、契約形態や価格プランを選び間違えると無駄なコストがかかったり、価格のわりに満足できないという問題が起こりかねません。
トラブルを避けて納得できるSaaSを選ぶためには、最初に各ベンダーが提供するサービスの契約形態と価格プランを調査しておくことが大切です。
同じベンダーが提供するものでも複数のプランが用意されていることもあるので、他のベンダーと比較するだけでなく、同じベンダー内でプランの比較を行うことも重要だと言えます。
このような注意点を意識してSaaSの選定を行うようにすれば、自社に合った契約形態やプランでSaaSを利用できるようになるでしょう。
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